蒲田エリア

城南地域の下町として栄えた場所

蒲田といえば、都内に残る代表的な下町地域の一つです。

歴史をみてみると蒲田エリアに人が住み始めたのは平安時代からのことであり、かつて周辺の土地一帯が湿地や沼地といったところであったことが「蒲田(沼深い田園地)」という名称のもとになっています。

地理的には都内の東側にあたる湾岸地域にあり、東京中心からは南側ギリギリの神奈川県と県境を近くにする場所になっています。

路線としては京浜東北線蒲田駅が中心となっており、特に品川駅からのアクセスの良さとして知られているところです。

蒲田一帯はかつては第一次大戦後の日本の経済を支えた京浜工業地帯の中心部であることから、現在でも路地に入ると大きな町工場などを多く見かけることができます。

近年では都内都市化の流れそのままに古い町工場や住宅はなくなり新たにビルなどが開発をされる傾向にあります。

特に蒲田のある大田区には羽田空港がありますので、蒲田駅周辺の地域はグローバル関連企業のための施設や宿泊地などが多く見られています。

外国人向けのホテルや大型のオフィスビルが地元の土地を買い取るということもここ近年の大きな流れとなっていることも特徴です。

多摩川を中心とした工業地として発展

蒲田エリアの最大の特徴は、多摩川とその支流である呑川流域に乱立していた工業地帯です。

かつては軍需産業が数多くありましたが、戦後にはどんどんそうした工場はなくなり代わりに住宅地と羽田空港を取り巻く施設が多く作られるようになりました。

土地的には湾岸沿いと大型河川に囲まれた地域ということで決して地盤が強固というわけではなく、災害が起こった場合にそれぞれの物件がきちんと強度を保つことができるかということでいうと他のエリアよりは不安が残ります。

ただしそうした不安がある一方で人口が数多く流入してきた地域でもあることから商業地や住宅地としての人気は決して低いわけではなく、現在でも駅前周辺を中心に急速に土地開発が進んでいます。

注意をしておきたいのが土地価格に対して安全性が担保されているわけではないということなので、もし都内に影響のある大災害が起こったときには急激な土地資産価格が下落する可能性があります。

しかしながら災害が起こらないことを前提にすれば今も商業施設であるサンライズ蒲田やサンロード蒲田といった商店街が残されており、今後も大型商業施設が進出していく可能性があります。

開発によってできる先端施設と、昔ながらの下町工場が同時に存在する珍しい町並みも蒲田エリアの魅力といえます。

庶民の街蒲田には魅力が沢山

開発が進んでいるとはいえ、昔ながらの下町蒲田では独特の魅力があります。

蒲田は「庶民の町」と言われることもあり、商店街に入ってみると昭和の雰囲気を残した小型の個人商店や安い価格で販売をするお店などもたくさん見かけることができます。

特に手芸系のお店や趣味の雑貨を取り扱うお店の多さでは定評があり、マニアが何度も訪れては買い物をしていくということでも知られています。

一方で庶民の街らしく、古くてなんとなく薄汚い裏路地や、怪しげな風俗店なども多く見かけることができたりします。

また外国人労働者も多くいるというのが蒲田の街の特徴となっており、治安面でやや不安に感じる場面もあるようです。