大森・山王エリア
文化的な歴史と円のある街大森
大森は地図上では品川よりもやや南、大井埠頭よりやや内陸に入ったところにあります。
住所では大田区となっており最も近い都内の繁華街は品川駅で、JR京浜東北線を使用すればわずか6分で到着をすることができます。
大森駅はJR京浜東北線のみが乗り入れるそれほど都内で中心的な役割をする都市というわけではありません。
ですが人が住んできた歴史は非常に長く、かつては別荘地や文士たちの暮らす街として発展をしてきました。
現在の大森駅周辺は江戸時代までは農村部と漁村部が共存するのどかな地域であり、現在京浜東北線の東にある京浜急行線の線路が敷かれているラインがそのまま海岸線となっていました。
主な産業は海苔の養殖で、海岸線沿いに多くの養殖漁師が生活をしていたといいます。
大森駅が出来上がったのは明治9年(1876年)と都内の列車状況の中でもかなり古く、これは古代の頃から人の住居地として使用されてきた土地であることが関係しています。
主に古くからの住居地とされてきたのは大森駅よりも西側一帯で、丘陵地として海沿いよりも高台に位置しています。
この土地からは貝塚なども発見されていることからかなり古くから人が住んでいたことがわかっており、現在も地震や津波などの災害時にも安全な地盤の強固なエリアとして注目をされています。
別荘地として高所得者層が居住した山王
大森駅から西側に少し入った高台エリアにあるのが山王です。
山王は明治から大正期にかけて高所得者層が数多く別荘を建築した別荘地であり、空気の通りのよい年間を通して穏やかな気候をしています。
都内の他の高級住宅地である青山や白金、松濤といったところと比較すると多少地味めな印象もありますが、住宅地としての過ごしやすさや地盤の安定性は都内有数であり非常に住民からの評判は高いものとなっています。
ここ最近では海外からの観光客の誘致や東京オリンピックのため、羽田空港の国際化が積極的に進められていることから、羽田空港と品川駅をつなぐ位置にある大森・山王は大きな注目を受けています。
実際に駅前からの開発が進められており、他の繁華街とは違った格式高い都市として観光客や宿泊客を受け入れる体制が作られています。
大森エリアがにわかに注目されることになったのが朝の連続テレビ小説「花子とアン」で、主役の村岡花子がかつてこの地に長く暮らしたということから現在も街中に赤毛のアンに関するオブジェを見かけることができます。
住民の生活の中心になるのが大森駅前にあるアトレやイトーヨーカドーで、その他地元商店街であるミルパは多くの人が通行している様子を見ることができます。
大型商業施設は多くありませんが、歴史遺跡や自然公園は数多くあるので、都会の喧騒を離れたのんびりした生活をしたい人におすすめです。